放射線ホルミシスとは
「放射線ホルミシス」は、いま話題の低線量放射線を使った健康法です。これまで放射線はすべて危険だと言われてきました。ですが、最近の研究は低線量の放射線は無害なばかりか、体にさまざまな健康効果をもたらしてくれることを示しています。
低線量の放射線は、ヒトの体が持つ生命力に適度な刺激を与えて、免疫力や代謝力を活性化してくれます。その原理を利用したのが低線量放射線(または低放射線)ホルミシスです。玉川温泉や三朝温泉をはじめとする日本のラジウム温泉の湯治効果も低線量放射線の持つホルミシス効果だと言われています。
「ホルミシス(Hormesis)」とは、ある物質を大量に用いると有害であるのに、微量ならば逆に有益な作用を及ぼす現象を示す言葉です。
NASAの依頼を受けたラッキー博士は10年以上の歳月をかけて研究を続け、研究の成果を米国保健物理学会誌「Health Physics」(1982年12月号)に発表しました。その内容は「少しの放射線は、免疫機能の向上など、身体組織の活性化をもたらし、生殖能力を増し、老化を抑えて寿命を延ばすなど、あらゆる面でバイオポジティブな効果を生じる」というものでした。教授は、低線量の放射線が生物学的にもたらす良い効果を「放射線ホルミシス」と名付けました。日本では各大学や様々な研究機関、専門家がこれまでに多くの研究や検証、データが発表しています。わが国は、古くから全国各地にある温泉からの医学的効果を知っている民族です。ラジウムやラドン(トロン)などの温泉は放射線の恩恵を受ける温泉です。秋田県玉川温泉、鳥取県三朝温泉などが有名で、台湾では北投温泉、オーストリアのバドガシユタインが知られています。低レベル放射線ホルミシス効果の研究は、現在まで多くの効果が発表され、医学界でも注目されています。
放射線ホルミシスの美肌効果
肌を衰えさせてしまう最大の原因が「活性酸素」です。活性酸素は、生命を維持するためになくてはならないものですが、同時に様々な病気を引き起こし、老化を促進する原因ともなります。活性酸素は物質を錆びさせる「酸化力」が非常に強く、肌を支える「コラーゲン」や「エラスチン」をぼろぼろにして、シワやタルミを引き起こしてしまいます。放射線は細胞内の「活性酸素キラー」(SOD・GPX)を飛躍的に増加させ肌を衰えさせる「活性酸素」の酸化力を中和してくれます。
細胞が若返ると、栄養や老廃物が細胞膜をスムーズに通過できるようになって、皮膚細胞の活動が活発化します。コラーゲンや新しい細胞を作る力が増して肌はつやと張りを取り戻し、メラニン色素を取り除く代謝力が向上してシミを改善したりすることができるのです。
放射線ホルミシスの安全性
地球の大地、空、大気などからは相当量の放射線が放射されていて、日夜それらを浴びながら生活しています。毎日食べる食物にも多く放射性物質が含まれていて、そこからでる放射線を浴びています。これらの放射線量をすべて加えると、1人当たり年平均2.4ミリシーベルトの放射線を浴びています。放射線の安全を定める世界的機関「国際放射線防護委員会」(ICPR)では1人当たり年間被ばく量の許容限度を「1ミリシーベルト(自然放射線と医療目的を除く)」に定めています。